屋上にビニールハウスもいいけれど…
最近某番組にて屋上に難しい果物の栽培のためにビニールハウスを建てるという内容の放送がありました。
たしかにビニールハウスを建てられるスペースが庭にはない、でも屋上ならある!
というおうちや施設は少なからず存在します。
私達も普段はビニールハウスはこんなにもいいものなんだよ!と発信していますが
良い物だから必ずメリットしか存在しないわけではない。場合によってはメリットよりもデメリットの方が大きい
ということを知って頂きたく今回ブログを更新させていただきました。
それじゃあ組み立て方とメリットって?
ビニールハウスの骨組みの組み立て方とメリットのおさらいしましょう。
組み立て
まず、4隅の位置を決めて、オートレベルと呼ばれる機械を使い、4隅の高さを合わせます。
そしたら一本ずつパイプをしっかりと深くまで埋め込みます。
さらに、らせん杭と呼ばれるものを地面に打ち込むことにより強風で骨組みが飛んで行ってしまうのを防ぎます。
そうして完成したのがこの骨組み。
メリットについて
メリットも簡単におさらいすると
確かにビニールハウスは害虫や害鳥から身を守ってくれますし、
水分調整で甘いトマトを栽培できたり、
温室効果で成長を促進させてあげることも可能です。
それにより露地栽培よりも多くの収穫を見込めることもそれまた事実です。
また、空調を設置すれば温度調節も可能になります。
じゃあ屋上ビニールハウスのデメリットは?
ここからが本題の屋上ビニールハウスについてです。
私達は元々ビニールハウス屋さんではなく鉄筋や型枠を得意とする総合建設の会社です。
2019年に発生した台風の影響でビニールハウスに甚大な被害が出ているのを目の当たりにして
鉄筋屋さんとしてのノウハウを生かせないか、と考えたのが始まりです。
その為施工には建築、建設の法律も考慮しております。
それを踏まえて屋上にビニールハウスを設置するのはどれだけ危険かをお話したいと思います。
デメリットについて
結論から話してしまうと飛ばされないようにするのがかなり大変なんだということです。
屋上やコンクリートの上にビニールハウスを設置するとして、軽い小型のハウスが風で飛ばない様に重りで抑えるのには限界があります。
台風の日に軽自動車が浮き上がったり普通車が風で飛ばされてしまったり……そんな報道も今年は何件も見かけました。
沢山のパイプが埋め込まれているとても重たい大きなビニールハウスですら飛ばされはしませんが台風でこうなってしまうのです。
(台風が来る前にあらかじめフィルムを剥がすことで風を受ける面積を減らし被害を抑える方法もあります)
そんな強風にいくらかのコンクリートで重りをつけたところで遮蔽物もない屋上のビニールハウスが耐えられるとは思えません。
じゃあ風で飛んでいかないようにするためにコンクリートを打てばいいじゃない!
でもそれはできないことなのです。
すべての建物には重量制限があり、コンクリートを後から打ってしまうとこの重量制限を超えてしまう恐れがあるからです。
早々超えることはありませんが少しでも重量制限を超えてしまうと違法建築と呼ばれるものになってしまいます。
それじゃあ杭か何かを打ち込めばいいのでは?と思われるかもしれません。
でも下手に打ち込んで既存の配管を傷つけたり天井を貫通してしまったら……
建物自体の耐久性が落ちてしまうかもしれません。
そうなると建物の価値が落ちてしまいますし、
その修理にかかる費用はとんでもない額になってしまうかもしれません。
そして屋上は地上と違い周囲に風を遮ってくれる遮蔽物が何もないため風の影響をかなり受けやすくなってしまいます。
つまり、地上よりもずっと飛ばされてしまう可能性が高いというわけです
これに関してはメリット、デメリットとうまく付き合っていく必要がありそうですね……
以上のことからあくまで当社では屋上にビニールハウスを設置するのはおすすめしておりません。
ですが駐車場ならば飛ばされないように施工することが可能です。
このように駐車場車約1台分を使った施工実績もございます。
使用していない駐車場にビニールハウスを置くという選択肢もどうでしょうか?